2024/8/5 旭化成はCO2由来のプロセスでMDIに参入する。(と報じられている。)
同社は既にCO2から誘導される尿素を用いた新たな製造技術を同社の製造するHDI用に開発しており、今回MDIやTDIなどの芳香族イソシアネートで原料をCO2由来とする製造プロセスを開発中。既に基礎実験による検証を終えたとしている。
化学工業日報が報じている。
同社が2020年に発表した資料によれば、CO2由来の尿素を利用したカルバメート製造プロセス(尿素法イソシアネート製造プロセス)を使用することで、既存ホスゲン法に比べCO2排出量を20%減らすことが出来るという。

2020年旭化成発表資料より:
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/green_innovation/pdf/001_06_02.pdf
GlobalのMDI需要は900万トン程度とされ、HDIの30万トン程度に比べれば市場は遥かに大きく、今後も人口増や新興国での需要伸長が期待される。しかし、MDIはホスゲン化のプロセスのみで構成されるものではなく、ベンゼンを出発原料とし、ニトロベンゼン、アニリン、MDAを経てMDIに至る一貫のプロセス構成が必要であり、ホスゲン化プロセスだけに注目し、20%のCO2を削減したところで、例えば原料のアニリンやMDAを外部から調達したとすれば、輸送や保管に掛かるCO2排出量で相殺される可能性がある為、事業化可能性があるとしてもライセンスの供与に限られるのではないだろうか。また、現在世界の最新のプラントは1基40万トンや110万トンなど、超大型化が進んでおり、同様の規模で参入するにはハードルは高すぎると考えられる。また、東ソーや万華化学はホスゲン化反応のバイプロである塩酸を塩ビ原料として使用しており、イソシアネート化プロセスのエネルギー効率を20%向上したとしても、十分な競争力があるかは不明である。
尚、MDI参入に関して旭化成のWebページに発表はない。