2026年2月末に発生した中東情勢の緊迫化を契機に、アジアスポット市況や輸入CIF価格などのナフサ価格は過去最高水準へと急騰した。
輸入ナフサ価格は2026年2月に62,900円/KLだったものが、4月には101,800円/KL、5月には123,700円/KLと、円安の影響も相まって記録的高値を付けた。9月の通関統計は10/29に発表予定であるが、4-9月平均値は10万円/KLを超えるとみられる。
輸入数量は、3-4月と前年比約4割減となっていたが、5月以降は回復。足元では中東産ナフサ減の多くを米国産の軽質ナフサ等がカバーをしている形。軽質ナフサはC2(エチレン)収量は中東産ナフサに比べて多いが、C3(プロピレン)、C4留分以上の成分の収量は相対的にマイナスとなる。日本のエチレンクラッカーとそれに付随するコンビナート郡は中東産ナフサを中心に収量設計がされており、余剰エチレンの消化が進まない場合、クラッカーの稼働調整が生じたり、C3以上の成分の不足が懸念される。輸入ソースの変更は単なる原料コストの上昇にとどまらず、誘導品バランスの再構築と、リファイナリー(石油精製)の流動接触分解(FCC)や改質装置との精製・石化インテグレーションの最適化が求められる。これらの国内石化産業への影響は今後石化各社の決算発表資料などで明らかになってくると期待される。
輸入ナフサ通関統計:財務省通関統計より筆者作成
| 輸入価格 円/KL | 輸入数量 KL | 前年数量比 | |
| 2025年1-12月 | 65,000 | 20,388,404 | -1% |
| 2026年1月 | 62,600 | 1,542,726 | -20% |
| 2026年2月 | 62,900 | 1,167,612 | -17% |
| 2026年3月 | 66,100 | 1,143,924 | -38% |
| 2026年4月 | 101,800 | 1,040,071 | -45% |
| 2026年5月 | 123,700 | 1,431,463 | -9% |
| 2026年6月 | 121,900 | 1,196,790 | -17% |
| 2026年7月 | 104,300 | 1,332,480 | -11% |
| 2026年8月 | 87,600 | 1,380,007 | -16% |
| 2026年9月 | 2026/10/29発表 |