BASFはドイツ ルートウィヒスハーフェン(Ludwigshafen, Germany)のTDI生産装置等(公称生産能力30万トン/年)を閉鎖する。
閉鎖時期は明示されていないものの、直近のエネルギーコストの高騰や欧州需要減を受け、現時点でごく低稼働又は稼働をしていない模様。
ICISやChemanalyst.comなどが報じている他、BASFの公式Webページにも情報が掲載されている。
報道によれば、ドイツTDI工場の閉鎖後、欧州には米国ガイスマー(Geismar/USA)、韓国麗水(Yeous/South Korea)、中国上海(Shanghai/China)より供給を継続するという。
生産装置の停止は下記通り。
・アンモニア 2工場のうち1工場及び関連する肥料施設(ベルギーアントワープ工場にて補完可能)
・カプロラクタム(ベルギーアントワープ工場にて補完可能)
・ソーダ灰工場の閉鎖
・TDI及び中間原料DNT(ジニトロトルエン)、TDA(トルエンジアミン)
・アジピン酸の生産能力を縮小
・シクロヘキサノール、シクロヘキサン工場の閉鎖
これらの閉鎖・構造改革により、2026年に於いて2億ユーロの固定費削減につなげるという。
またLudwigshafen工場での90万トンのCO2の排出量削減にもつながるという。
報道によれば、2024/2/24時点でTDI-80のコストは工場出荷価格で4,130ドル。市況より500-1000ドル程製造コストの方が高い状況であるという。
同社はドイツ シュヴァルツハイデ(Schwarzheide/Germanyにおいて8万トンのTDI設備を稼働。2015年11月に10億ユーロを投じ30万トンの新工場をスタートしたが、様々なトラブルで旧8万トンの工場を並走し、供給を継続。2020年4月にはシュヴァルツハイデ工場を閉鎖し、Ludwigshafenの新工場に完全に以降したが、フル稼働に至った期間は極僅かであった模様。
BASFの2022年度グローバル売上は873億ユーロ(前年比+11.1%)、EBITは65.5億ユーロ(同▲14.7%)であったという。配当については1株当たり3.4ユーロを前年から据え置く。
