米アセンド(Acsend)、独BASFはそれぞれHMD(ヘキサメチレンジアミン)を増産する。
アセンドは米フロリダとアラバマでHMDから一貫してPA(ポリアミド)を生産しているが、この度中国江蘇省でHMDのプラントを建設する。年内に着工し、2023年下期に稼働を開始する見込みだ。生産能力等は不明。共同通信などが報じている。
https://kyodonewsprwire.jp/release/202201136045
これに加え、BASFはフランスでHMDプラントを新設する。この能増によりBASFはHMDとして年産26万トンの生産能力となる見込み。稼働開始は2024年を予定している。同社では同時にPA66の生産能力も増強する。BASFはHMD及びPA事業をSloveyより2020年1月に取得している。実体はSolvayがInvista社と共同でADN(アジポニトリル)とHMDを生産する合弁事業Butachimieの50%のシェアを取得。BASFとDOMO Chemicals社(ドーモ ケミカルス)が共同でアジピン酸を生産する新しい合弁事業Alsachimieの51%のシェアをBASFが取得した形。
BASFの公式Webページで公開している。
https://www.basf.com/global/en/media/news-releases/2022/01/p-22-102.html
現在世界でHMDを生産するメーカーは上記二社に加えてInvistaと旭化成の4社のみ。
ポリアミド市場は服飾・繊維、自動車部品等に広く使用され、2021年から2026年にかけて年率12%の成長が期待されているが、原料のADN, HMDの生産能力と生産安定性がネックであった。
HMDの8-9割はポリアミド用途であるが、脂肪族イソシアネートのHDIの原料としても使用される。