雲南省、エネルギー消費制限で黄燐の生産9割減、年内継続

中国雲南省でエネルギー消費制限の為、9-12月の黄燐の生産量が8月比で90%カットされた。
世界のリン鉱石の生産量の53%が中国。※雲南省では中国の46%の黄燐を生産するとされており、様々な分野での影響が懸念される。
黄燐の生産方法には湿式と乾式法があり、うち乾式法ではリン鉱石をケイ素・炭素と共に電気炉において1,400~1,500℃の高温で分解し,黄リン(P4)を得ることが出来るが、大量の電力を必要とする。乾式黄リンは湿式黄燐にくらべ不純物が少ない。この黄燐は酸化燐(P2O5)を経て、さらに水と反応させることで不純物含の極めて少ない乾式リン酸が得られる。リン酸とアルコールを縮合反応させることでリン酸エステルを得る。リン酸エステルは可塑剤や難燃剤の原料となる他、金属加工、防錆剤等にも使用される。日本のリン酸の輸入元は96%が中国。ウレタン業界に限らず幅広い樹脂への影響が懸念される。
2022年2月には冬季北京五輪が予定されており(2月4日-2月20日)、黄燐工業の様に環境負荷の高い分野では生産が引き続き制限される可能性もある。

※:独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 鉱物資源マテリアルフロー 2018 33.リンより
   http://mric.jogmec.go.jp/wp-content/uploads/2019/03/material_flow2018_P.pdf

ソース:云南限产传闻,黄磷和工业硅两大行业减产90%

https://news.stcn.com/sd/202109/t20210914_3681043.html

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