ユニチカ HMDを使用しない代替ナイロンを開発

2021/3/19 ユニチカは17日、ヘキサメチレンジアミン( Hexamethylenediamine /HMD)を使用しないナイロン樹脂で、PA6T、PA66を代替可能な商品を開発、販売を開始した。同社の融点315℃の高耐熱ポリアミド10T『ゼコット』をベースにPA6Tとほぼ同等の物性を実現するという。また、同様に開発した AG310A-67 シリーズは、ガラス繊維強化 PA66 とほぼ同等の物性を実現した。

主な用途と物性比較は下記通り
「ゼコット®/XecoT® AG310A-64」シリーズ:摺動部品、自動車機構部品、電装部品
「ゼコット®/XecoT® AG310A-67」シリーズ:自動車、電気電子、工業、一般

ソース:https://www.unitika.co.jp/news/io-pdf/re20210317.pdf

直近では北米寒波影響でアセンド社(Ascend)が2月16日にアクリロニトリル(Acrylonitrile/AN)、ヘキサメチレンジアミン(Hexamethylenediamine/HMD)のForece Majeureを宣言。同日インビスタ(INVISTA)もアジポニトリル(Adiponitrile/ADN)、HMD、アジピン酸(Adipic Acid)のフォースマジュールを宣言している。

ソース:http://www.pudaily.com/News/NewsView.aspx?nid=87666


そもそもナイロン樹脂の自動車用途、電材部品としての採用拡大に伴い各社増産を計画しているものの、2023年頃まではひっ迫感が続くとされている。コロナ前の2019年6月にMONOist記事がDSM社の説明会を報じている。

MONOist :世界的なナイロン不足は2023年まで継続、代替材料の提案強化
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1906/03/news047.html

記事によればHMD/ヘキサメチレンジアミンの原料であるADN/アジポニトリルの生産がネックであるという。ADNのサプライヤーは世界でAscend、Invista、Solvay、旭化成の4社のみであり、各社増産を計画しているが、安定操業から需給解消に至るのは2023年頃であると予想している。

DSM社は2018年からHMDを使用しない代替素材の提案しており、ポリアミド46(PA46)とポリアミド6(PA6)を混合した「アクロンIGグレード」をPA66の代替として発表。ヘキサメチレンジアミンではなく、供給が安定している1,4-ジアミノブタンを原料とする。また、ひまし油を原料とし、7割を植物由来とすることが出来るポリアミド410(PA410)の「EcoPAXX」も提案している。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中