アブダビ公営石油( ADNOC )と万華化学(Wanhua Chemical Group)は川下分野に於いて中国、UAE総額120憶ドル(約1.3兆円)の投資を行うことに合意した。各社が報道している。
ADNOC, Wanhua Chemical ink shipping JV and downstream partnership framework agreements worth $12bn
Abu Dhabi’s ADNOC, China’s Wanhua Chemical sign deal potentially worth $12bn
万華化学は世界最大のMDIメーカーで2015年からPDH法(Propane dehydration/プロパン脱水素法)によるプロピレン系のコンプレックスを立ち上げ、MDI、ウレタンの専業メーカーから総合化学メーカーに転身しつつある。2018年11月にはすでにADNOCと万華化学の間で10年間に亘るLPGの供給と2隻のVLGC (Very Large Gas Carriers、一般的には8万立米クラス)の運用に関する契約を結んでいる。ADNOCとしては中国向けに長期的で安定したLPGの販売が出来る一方、万華化学としては長期安定した原料調達によりPO(Propylene Oxide/酸化プロピレン)やPolyolといったウレタン原料やその他プロピレン系派生物の競争力確保が期待できる。
今回の合意ではUAEでのウレタンバリューチェーンへの投資と山東省煙台市での石油化学製品への投資を念頭においたものとされている。