万華化学(Wanhua Chemical Group)は3月12日、2017年度(1-12月期)の決算を発表した。
これによれば売上高は前年比76.5%増の531.2億元(約9,030億円、17円/元換算。以下同)、純利益は前年比202.6%増の111.3億元(1,892億円)となった。これにより、自己資本比率は前年末の29.2%から41.4%となった。ポリウレタン原料のMDI・PPGの市況が好調であった他、プロピレン・POといった石化製品も総じて好調であり、最高益を更新した。SAPは市況の下落を受け、苦戦した。研究開発費は売上高の2.3%に当たる12.4億元(210億円)を投じており、前年比+70.7%となった。
決算書に依ると同社の主要原料のキャパと稼働率は下記通り。公表値から計算すると、MDIについては155.2万トンを製造したものと見られる。
生産品目 | 工場 | Capacity (万トン) |
Operating rate (%) |
MDI | 寧波 | 120 | 87.6 |
MDI | 煙台 | 60 | 83.6 |
PO/AE | 煙台 | 179 | 98 |
SAP | 煙台 | 3 | 53 |
2018年前半は、Polymeric MDIは既に年初から2割弱市況が下落しているが、Pure MDIは逆に2割程度値上がりしている。プロピレン、POの市況も底堅く、上期は前年並みの業績が見込まれる。また、2018-2019年に掛け下記新規設備の稼働を控えている他、北米でのMDI製造や、煙台エチレンセンターの建設計画もあり、総合ウレタンメーカーから総合石化メーカーへのポートフォリオ転換と安定成長が見込まれる。
直近の新設計画は下記通り。
PC(ポリカーボネート) 第1期 7万トン 2018年1月
PC(ポリカーボネート) 第2期 13万トン 2019年2月
TDI 30万トン 2018年10月
MMA 5万トン 2018年10月
PMMA 8万トン 2018年10月
直近5年間の業績推移(億元)
Y2013 | Y2014 | Y2015 | Y2016 | Y2017 | |
売上 | 202.4 | 220.9 | 194.9 | 301.0 | 531.2 |
純利益 | 28.9 | 24.2 | 15.5 | 36.8 | 111.3 |
純資産 | 96.8 | 105.9 | 115.7 | 148.2 | 272.8 |
総資産 | 315.4 | 415.9 | 478.0 | 507.7 | 658.3 |
自己資本比率 | 31% | 25% | 24% | 29% | 41% |