ブリヂストンは6月1日よりトラックバス向けを含む自動車用タイヤを6%値上げすると発表した。
原料高騰を理由とし、企業努力のみでこれを吸収することは困難な状況であると判断し、国内市販用タイヤの出荷価格の値上げを決定したもの。
改定幅は下記通り。
乗用車・バン用タイヤ(夏) | 6% |
小型トラック・バス用タイヤ(夏/冬) | 6% |
トラック・バス用タイヤ(夏/冬) | 8% |
建設・鉱山車両用タイヤ(夏/冬) | 10% |
産業車両用タイヤ(夏/冬) | 8% |
二輪自動車用タイヤ | 6% |
その他タイヤ | 8% |
チューブ、フラップ | 8~10% |
ブリヂストンは世界最大のタイヤメーカー。概ねタイヤ事業と非タイヤ事業である「多角化」事業に分けられるが、ここ数年タイヤ事業は絶好調であり。2016年にはタイヤ事業で15%の営業利益率をたたき出している。
事業別(億円) | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
タイヤ | 売上高 | 25,572 | 30,369 | 30,933 | 31,744 | 27,657 |
営業利益 | 2,604 | 3,994 | 4,358 | 4,727 | 4,147 | |
営業利益率 | 10.2% | 13.2% | 14.1% | 14.9% | 15.0% | |
多角化 | 売上高 | 4,990 | 5,462 | 6,018 | 6,350 | 5,857 |
営業利益 | 255 | 385 | 421 | 445 | 348 | |
営業利益率 | 5.1% | 7.1% | 7.0% | 7.0% | 5.9% |
また、同社は2011年に22円であった一株当たり配当金を2016年には140円まで増やし、配当性向を4割としている。自社株買いや配当の増額等、株主還元をかなり意識した形だ。
発行済み株式の14.2%以上を石橋家又はその関連団体が握っていると見られ、これらへの配当総額は年間132億円超に上る。