製品市況の改善を受け、ウレタン原料メーカー各社は最高益を更新している。
三井化学は2月2日、2017年3月期の連結純利益の見通しを前期比2.4倍となる550億円になる見通しであると発表した。従来予想を50億円上回り、10年ぶりの最高益の更新となる見込み。三井化学はウレタン事業の見直しの一環で、2014年に韓国SKCとのJV(MCNS)を立ち上げ、2016年に鹿島工場のTDI(117KT)、大牟田工場のMDI(60KT)を閉鎖し、合理化を進めてきた。
東ソーは2017年3月期の純利益は前期比76%増の700億円となる見通し。従来予想を160億円上回り、2年ぶりに過去最高利益を更新する。MDI市況、塩ビ市況の改善と苛性ソーダの値上げ等が主な要因。19年1月にはフィリピンに40億円を投じ、塩ビ能力を増強する。
東ソーの足元株価は2016年初につけた400円から2.5倍超にあたる1,000円超で取引されている。
Covestroは2016年、前年比+7.6%となる出荷数量を記録し。EBITは前期比95.7%増の13.3億ユーロとなった。純利益は前期3.43億ユーロの2倍超となる7.95億ユーロ(954億円 120円/ユーロ換算)となった。
Wanhua Chemicalは2016年売上は前期比54%増となる301億人民元(4,967億円 16.5円/人民元換算)、純利益は前期比91%増となる56.5億人民元(932億円 16.5円/人民元換算)となった。同社は元々MDIの専業メーカーであったが、ここ数年で脂肪族イソシアネートやTPU、プロピレン系の石化製品の製販を始め、急激に規模を拡大している。今後1-2年内に自動車分野での市場拡大が見込まれるポリカーボネートやTDIの製造も開始する予定。